ご注意 ここは旧サイトです。
2011年3月(三代目主催者 若原光彦)までの記録として
管理、公開されています(更新履歴)。
2011年夏からの情報は(五代目主催者 三原千尋さん)の
Twitter @ametotaiyo をご参考ください。
2011年3月(三代目主催者 若原光彦)までの記録として
管理、公開されています(更新履歴)。
2011年夏からの情報は(五代目主催者 三原千尋さん)の
Twitter @ametotaiyo をご参考ください。
2005年8月10日〜
2006年6月14日の録音
2006年6月14日の録音
●はじめに
2005年の8月ぶんから、録音のアップが停まっていました。今回、それらを整理し掲載しました。各会の詳細なレポートは省略していますが、「音声を聞いただけでは不可解な部分」については簡単な補足を添えました。本人からのご希望により、一部のお名前・音声は伏せさせていただいてます。また若原の判断により、不掲載にした部分もあります。
これまでの音声掲載とことなり、各出演者さんごとにファイルを分割してみました。音声をステレオにもしてみました。ちょっと聞きやすくなったかな。
●録音を聞くには
いちファイルのみを聞きたい場合は、各所の「♪」リンクをクリックして下さい。MP3ファイルがダウンロードされ、PC内の再生ソフトで再生されると思います。
複数を連続して聞きたい場合は、各所の「♪PLAYLIST」リンクをクリックして下さい。再生リストファイル(M3Uファイル)がダウンロードされ、MP3ファイルが連続で再生されるはずです。
うまく再生できなかった場合はこちらのページを参考にしてみてください。
どの音声ファイルも、MP3、ステレオ、80kbpsです。ごゆっくりどうぞ。
●ぜんぶ連続再生したい場合はこちら
「詩のあるからだ」2005年8月10日〜2006年6月14日の録音
4時間23分 150MB MP3 ステレオ 80kbps
♪PLAYLIST
以下の全MP3ファイルを再生するプレイリストです。4時間半もあるのでさすがにおすすめはしませんが、一覧したい方、ランダム再生したい方に向けていちおう作ってみました。
●2005年8月10日の録音 ♪PLAYLIST
7名の方がエントリーされました。
「自民圧勝がどうのこうの」といった話がちらほらしていますが、この会の直前に国会議員の総選挙があったためです。
鈴木陽一レモンさんがリーディングされているのは宮沢賢治の詩です。この日の店内はちょっと騒がしい雰囲気だったのですが、そんな中でもくっきりと映えるリーディングでした。
よみくらべスラムでは、思潮社文庫「広部英一詩集」より「地上で」を取り上げました。「人間ではない何か」の詩です。広部英一という詩人は、空や魂を見つめて詩作を連ねて来られたようなのです。お盆に近く、帰郷されるかたもいるかもしれないとの考えで選んでみました。空や風が登場することが多く、涼しげな世界観も持っていましたしね。……など、若原が本書についてすこし解説を行ったあと、1位になったレモンさんに詩「邂逅」を読んでいただいて会を閉じました。広部氏の書く魂がどこでどんな風にただよっているものなのか、それぞれに掴んで貰えたのではないかと思います。
●2005年9月14日の録音 ♪PLAYLIST
11名の方がエントリーされました。
このちょっと前、9月序盤に東京でビッグイベント「UPJ3」がありました。録音音声にも、それについての言及がのぞいています。
ひさびさに小田タケシさんとお会いできました。また、秋田洋平さんはピアノの弾き語りを披露してくださいました。9月でまだ暑いとはいえ……この日は、さわやかな夜でした。
よみくらべスラムでは、サンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」を用いました。このときのスラムに関しては、司会者として反省すべき点がありました思い入れのあるテキストを「よみくらべスラム」に出す短所について学ばさせられました。今になってみると、なにか……自分の中に焦り・苛立ちのようなものが濃くあったのだとも思います。
●2005年10月12日の録音 ♪PLAYLIST
8名の方がエントリーされました。
この日は、なぜかマイクが不調で。ご迷惑をおかけしました……場つなぎとして若原が語った「気圧のせいだ」ですが、これはあまりに便利な言葉なのでその後、禁止しました(笑)。録音音声で水尾さんが「あっ、もうそれは禁止なのか」と呟いておられるのはそのためです。
なんだか胸騒ぎのする回でした。マイクであたふたしたこともですが、なんだか……楽しい高揚感でしたけどね。気圧のせいです、きっと。
よみくらべスラムでは、糸井重里の「かんたんなコトバ」という詩を取り上げました。「かんたんなコトバが、ぼくを乗せて空を飛ぶ。」という、夢の世界のような、わずか8行のお話です。青流星さんのリーディングがとってもよかったです。はにかんだような感じが、とても。……1位になったツバキ嬢さんに、最後に糸井重里の「こぶしを ぎゅっと」という詩を読んでもらって会を閉じました。これもとてもよかったです。ツバキ嬢さんの持つキッチュな色が、童謡のようなテキストと反応して、みずみずしい魅力を放っていました。「リーディングっておもしれ――!」と再認識できたスラムでした。
●2005年11月9日のきろく
この日は会場「POPCORN」さんのご都合があり、となりの「まちのえん工房」さんでの開催となりました。マイクはなく、テーブルはひとつ。その緊密な空間を尊重し、録音もエントリーシートも取らず、あえてリーディングも促さず、会を進めました。座談会みたいな雰囲気になりました。詩や表現とは直接関係のない状況ではあったと思いますが、みなさんのお話はとても興味深く、おもしろかったです。くわしくここに書けないのが残念ですけど。恋愛談義とか、SF談義とか、しましたね。
●2005年12月14日の録音 ♪PLAYLIST
9名の方がエントリーされました。
「詩のあるからだ」1周年の会でした。多くの方から祝いのお言葉をいただきました、多くの方に支えていただいた結果です。にぎやかに、感謝の会でした。
お客さんの飛び入り参加「カワイクナイカワイさん」が発されたフリートークは強烈でしたね。耐震偽装について、専門的な見地から語ってくださいました。アツかった。面白かったけど、長かった(笑)。いやあ。私個人は、もうちょっとキリのよいところまで、まだまだ聞きたかったんですけどね。なお、時間がなかったため「よみくらべスラム」は次回へ持ち越しにしました。
●2006年1月11日のきろく
5名の方がエントリーされました。興味を持って会にいらして、最後まで聞いてくださったお客さんがいたのがうれしかったですね。
この日の録音音声はありません。あとで確認したら、録音に失敗していたんです。ショックでした……。
よみくらべスラムでは、アンデルセンの「絵のない絵本」用いました(参考ページ)。夏撃波さんは集英社版を劇画調に、シンジさんは講談社版をしっとりと、江藤さんは角川文庫版をマイペースに、古村さんは新潮社版を低いトーンで読まれました。私もプロジェクト杉田玄白版で参加しました。ああ、録音でじっくり聞きくらべてみたかったな……と惜しい思いです。「いろんな訳をいろんな人に割りふってよみくらべ」という方式はまたやりたいですね。なかなかいいテキストが見つからないんですけど。
●2006年2月8日のきろく
この日も11月と同様、会場「POPCORN」さんのご都合で「まちのえん工房」さんの開催でした。この回も、録音・エントリーシートを取らず進めていきました。以前とちがってちゃんとリーディング主体で会を進めましたけど。なごやかでしたね。
全員に一巡したあたりでPOPCORNさんが開いたため、全員で移動し、よみくらべスラムは通常通りPOPCORNさんで行いました。テキストには、きのゆり詩・おおた慶文絵・株式会社サンリオ刊の「愛のかたち」から詩「スニーカー」を取り上げました。なんというのでしょう、大の男が持ってくるにはちょっと乙女チックな詩なのですが、とてもナチュラルでふわっとした感じがいいなと思って選んできました。さわっと自然に書かれているところが魅力のひとつだと思っていたのですが、工夫して、崩してリーディングされた方が多く、意外な感じでした。でもちゃんと形になって聞こえたのは、それぞれの方の力量なのでしょうね。
●2006年3月8日の録音 ♪PLAYLIST
10名の方がエントリーされました。
4番めの方は、ご本人の希望によりお名前を伏せさせていただきました。
この日は客席がにぎやかでした。注目して聞いてくださった男性がいて。活気があり、盛りあがりました。ISAMUさん企画によるライブ「言葉ズーカ」の直前であり、どこか浮き足立っているような、ソワソワした感じも録音に残ってますね。
よみくらべスラムでは、筑摩文庫の「超短編アンソロジー」より「南泉、猫を斬る」を用いました。「無門関」という、禅の教本にあるエピソードです。……和尚が弟子に「昼間に猫を切ったのだ」という話します。すると弟子は、頭にわらじを載せて和尚の部屋を去る……という話です。意味不明です。1位は、「猫」「和尚」という語を入れ替えてリーディングするという暴挙に出た魚柳さんでした。これは聞いてて目玉が飛び出ました。びっくりしましたが、面白かったです。
最後に、同じく「超短編アンソロジー」より、魚柳さんに「梅法師(一休ばなし)」を、魚柳さんご指定の水尾さんに「定期券(桂枝雀)」を読んでいただいて、会を閉じました。ナンセンスなユーモアが場を丸め込んでの閉会でした。もわもわフワフワと、なぞが残る気持ちよさ。
●2006年4月12日の録音 ♪PLAYLIST
この日、最初の参加者がたったの4名でした。……こういう日が着たらやろうと思っていたことがあったので、とつぜん予告なしに実行してみました。「勝ち抜き選」です。ふたりがステージに立ち、パフォーマンスを行います。そして、会場の拍手の量で勝敗をジャッジし、勝者は次の挑戦者とまたバトルします……というお遊びの勝負です。勝ち続ける限り何度でも読めるわけです。
結果的には、あとから遅れて参加者さんがいらして……計10名の方がエントリーされました。
「4人ならパッパッと入れ替わり立ちかわるから、テンポのよく回転し、いろんな方法が試されて面白いだろう」と考えていたのですが、実際には遅れていらした方が多く、全体としては長丁場になってしまいました。また、いったん敗者になった方に再挑戦のチャンスがほとんどめぐってきませんでした。おもわくは失敗でした。ジャッジの基準を「拍手の量」というあやふやなものにしてしまったのもよくなかったと思います。当初の人数がいなかったこともありますが、主催者である若原の参戦も問題でした。
今度やるときはジャッジの方法、基準、先攻後攻の決定権といったルールも詰めておきます。また「勝ち抜きをやりますので、演目はたくさん持ってきてください」といったアナウンスを前もってします。……この回は失敗でしたが、いつかまたやりますよ、勝ち抜き戦。
よみくらべスラムでは、サムエル・ウルマンの詩「四月」を取り上げました。「雨」という語が序盤にあったためしっとりと読まれた方が多かったのですが、実は「幸ある四月!」で始まり「上げよ、我が錨。風みちよ、我が帆」で終わる、出帆・旅立ちの凛としたテキストでした。しっとりしたリーディングを聞いていて、驚きも納得も感じる……不思議な気分がしました。最後に、1位になったツバキ嬢さんに、サムエル・ウルマンの詩「青春」を読んでいただいて会を閉じました。「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを言う」という書き出しで有名な詩です。「青春」にはいろんな訳がありますが、この日に用いたのは宇野収・作山宗久著、産業能率大学出版部刊の「青春という名の詩」という本から引きました。
●2006年5月10日のきろく
5月というあわただしい時期だからか……参加者が少なかったため、録音・エントリーシートとも取らず、自由な進行の座談会スタイルで進めました。メモが残っていないのでなんともいえないのですが、本について、詩について、創作について、ライブについて、表現について、リーディングについてなど……踏み込んだ話を数々交わした記憶があります。考えさせられたり、ハッとしたり。刺激的でした。
●2006年6月14日の録音 ♪PLAYLIST
8名の方がエントリーされました。
よみくらべスラムでは、フランスの作家・脚本家・映画監督である(らしい)ジャン=フィリップ・トゥーサンの小説「ムッシュー」から、部分を取りました。この日に用いたのは「主人公のムッシューが、ポケットから手を出さずにエレベーターに乗り、自分のオフィスに戻る方法」を説明している部分です。要約すると「エレベーターの前でしばらく待って、ほかの人と一緒にエレベーターに乗り、階を告げて、同乗者にボタンを押してもらう」のです。……こうしたちょっとしたエスプリが詰まっている、おかしな、淡々とした小説です。
主人公ムッシューの人間味を増すアドリブを加えた江藤莅夏さん。シンドラー社のエレベーター事故問題をはさんで超短編に再構築した水樹結穂さん。主人公ムッシューに空腹感を独自設定し、都会で気弱になっているおぼっちゃんムッシューを展開させたツバキ嬢さん。……どなたもアドリブが炸裂していて面白かったのですが、みごと1位をしとめたのは「潔癖症だからボタンに触れないのだ」というみごとな解釈を加えた、水尾佳樹さんでした。……水尾さんに、最後に同「ムッシュー」より別の部分を読んでいただき会を閉めました。それは「ムッシューはデートで食事に行ったが、勘定をワリカンにするか・自分が全額おごればいいのか悩んだ。そして結局、自分が4分の3を払おうと言い出した」という場面です。何人か、ぽかーんとしてましたね。
●ふりかえって
今後はもっと定期的に、遅くても2〜3か月ごとには更新しようと思います。さすがにためこみ過ぎました。……なお今回はじめてファイルを出演者さんごとに分けましたが、これからはこの方法で掲載していくつもりです。また「よみくらべスラム」の部分は、これまでどおり、著作権の問題がない場合のみ掲載してゆきます。……いつも面白いので、ほんとうは多くの人に聞いてもらいたいんですけどね。
今回、編集・掲載作業のため何度も録音を聴きかえしました。掲載できなかったものも含め、音声にはみなさんの魅力や時間が封じ込められていました。若原自身の部分には、ときどき頭を抱えましたけど(笑)。うれしさをかみしめながら、いい気持ちで作業ができました。……「詩のあるからだ」1周年半、ありがとうございました! 今後ともよろしくおねがいいたします。
2005年の8月ぶんから、録音のアップが停まっていました。今回、それらを整理し掲載しました。各会の詳細なレポートは省略していますが、「音声を聞いただけでは不可解な部分」については簡単な補足を添えました。本人からのご希望により、一部のお名前・音声は伏せさせていただいてます。また若原の判断により、不掲載にした部分もあります。
これまでの音声掲載とことなり、各出演者さんごとにファイルを分割してみました。音声をステレオにもしてみました。ちょっと聞きやすくなったかな。
●録音を聞くには
いちファイルのみを聞きたい場合は、各所の「♪」リンクをクリックして下さい。MP3ファイルがダウンロードされ、PC内の再生ソフトで再生されると思います。
複数を連続して聞きたい場合は、各所の「♪PLAYLIST」リンクをクリックして下さい。再生リストファイル(M3Uファイル)がダウンロードされ、MP3ファイルが連続で再生されるはずです。
うまく再生できなかった場合はこちらのページを参考にしてみてください。
どの音声ファイルも、MP3、ステレオ、80kbpsです。ごゆっくりどうぞ。
●ぜんぶ連続再生したい場合はこちら
「詩のあるからだ」2005年8月10日〜2006年6月14日の録音
4時間23分 150MB MP3 ステレオ 80kbps
♪PLAYLIST
以下の全MP3ファイルを再生するプレイリストです。4時間半もあるのでさすがにおすすめはしませんが、一覧したい方、ランダム再生したい方に向けていちおう作ってみました。
●2005年8月10日の録音 ♪PLAYLIST
7名の方がエントリーされました。
「自民圧勝がどうのこうの」といった話がちらほらしていますが、この会の直前に国会議員の総選挙があったためです。
鈴木陽一レモンさんがリーディングされているのは宮沢賢治の詩です。この日の店内はちょっと騒がしい雰囲気だったのですが、そんな中でもくっきりと映えるリーディングでした。
よみくらべスラムでは、思潮社文庫「広部英一詩集」より「地上で」を取り上げました。「人間ではない何か」の詩です。広部英一という詩人は、空や魂を見つめて詩作を連ねて来られたようなのです。お盆に近く、帰郷されるかたもいるかもしれないとの考えで選んでみました。空や風が登場することが多く、涼しげな世界観も持っていましたしね。……など、若原が本書についてすこし解説を行ったあと、1位になったレモンさんに詩「邂逅」を読んでいただいて会を閉じました。広部氏の書く魂がどこでどんな風にただよっているものなのか、それぞれに掴んで貰えたのではないかと思います。
●2005年9月14日の録音 ♪PLAYLIST
11名の方がエントリーされました。
このちょっと前、9月序盤に東京でビッグイベント「UPJ3」がありました。録音音声にも、それについての言及がのぞいています。
ひさびさに小田タケシさんとお会いできました。また、秋田洋平さんはピアノの弾き語りを披露してくださいました。9月でまだ暑いとはいえ……この日は、さわやかな夜でした。
よみくらべスラムでは、サンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」を用いました。このときのスラムに関しては、司会者として反省すべき点がありました思い入れのあるテキストを「よみくらべスラム」に出す短所について学ばさせられました。今になってみると、なにか……自分の中に焦り・苛立ちのようなものが濃くあったのだとも思います。
●2005年10月12日の録音 ♪PLAYLIST
8名の方がエントリーされました。
この日は、なぜかマイクが不調で。ご迷惑をおかけしました……場つなぎとして若原が語った「気圧のせいだ」ですが、これはあまりに便利な言葉なのでその後、禁止しました(笑)。録音音声で水尾さんが「あっ、もうそれは禁止なのか」と呟いておられるのはそのためです。
なんだか胸騒ぎのする回でした。マイクであたふたしたこともですが、なんだか……楽しい高揚感でしたけどね。気圧のせいです、きっと。
よみくらべスラムでは、糸井重里の「かんたんなコトバ」という詩を取り上げました。「かんたんなコトバが、ぼくを乗せて空を飛ぶ。」という、夢の世界のような、わずか8行のお話です。青流星さんのリーディングがとってもよかったです。はにかんだような感じが、とても。……1位になったツバキ嬢さんに、最後に糸井重里の「こぶしを ぎゅっと」という詩を読んでもらって会を閉じました。これもとてもよかったです。ツバキ嬢さんの持つキッチュな色が、童謡のようなテキストと反応して、みずみずしい魅力を放っていました。「リーディングっておもしれ――!」と再認識できたスラムでした。
●2005年11月9日のきろく
この日は会場「POPCORN」さんのご都合があり、となりの「まちのえん工房」さんでの開催となりました。マイクはなく、テーブルはひとつ。その緊密な空間を尊重し、録音もエントリーシートも取らず、あえてリーディングも促さず、会を進めました。座談会みたいな雰囲気になりました。詩や表現とは直接関係のない状況ではあったと思いますが、みなさんのお話はとても興味深く、おもしろかったです。くわしくここに書けないのが残念ですけど。恋愛談義とか、SF談義とか、しましたね。
●2005年12月14日の録音 ♪PLAYLIST
9名の方がエントリーされました。
「詩のあるからだ」1周年の会でした。多くの方から祝いのお言葉をいただきました、多くの方に支えていただいた結果です。にぎやかに、感謝の会でした。
お客さんの飛び入り参加「カワイクナイカワイさん」が発されたフリートークは強烈でしたね。耐震偽装について、専門的な見地から語ってくださいました。アツかった。面白かったけど、長かった(笑)。いやあ。私個人は、もうちょっとキリのよいところまで、まだまだ聞きたかったんですけどね。なお、時間がなかったため「よみくらべスラム」は次回へ持ち越しにしました。
●2006年1月11日のきろく
5名の方がエントリーされました。興味を持って会にいらして、最後まで聞いてくださったお客さんがいたのがうれしかったですね。
- 若原光彦
- 夏撃波さん
- シンジさん
- 古村哲也さん
- 江藤莅夏さん
この日の録音音声はありません。あとで確認したら、録音に失敗していたんです。ショックでした……。
よみくらべスラムでは、アンデルセンの「絵のない絵本」用いました(参考ページ)。夏撃波さんは集英社版を劇画調に、シンジさんは講談社版をしっとりと、江藤さんは角川文庫版をマイペースに、古村さんは新潮社版を低いトーンで読まれました。私もプロジェクト杉田玄白版で参加しました。ああ、録音でじっくり聞きくらべてみたかったな……と惜しい思いです。「いろんな訳をいろんな人に割りふってよみくらべ」という方式はまたやりたいですね。なかなかいいテキストが見つからないんですけど。
●2006年2月8日のきろく
この日も11月と同様、会場「POPCORN」さんのご都合で「まちのえん工房」さんの開催でした。この回も、録音・エントリーシートを取らず進めていきました。以前とちがってちゃんとリーディング主体で会を進めましたけど。なごやかでしたね。
全員に一巡したあたりでPOPCORNさんが開いたため、全員で移動し、よみくらべスラムは通常通りPOPCORNさんで行いました。テキストには、きのゆり詩・おおた慶文絵・株式会社サンリオ刊の「愛のかたち」から詩「スニーカー」を取り上げました。なんというのでしょう、大の男が持ってくるにはちょっと乙女チックな詩なのですが、とてもナチュラルでふわっとした感じがいいなと思って選んできました。さわっと自然に書かれているところが魅力のひとつだと思っていたのですが、工夫して、崩してリーディングされた方が多く、意外な感じでした。でもちゃんと形になって聞こえたのは、それぞれの方の力量なのでしょうね。
●2006年3月8日の録音 ♪PLAYLIST
10名の方がエントリーされました。
4番めの方は、ご本人の希望によりお名前を伏せさせていただきました。
この日は客席がにぎやかでした。注目して聞いてくださった男性がいて。活気があり、盛りあがりました。ISAMUさん企画によるライブ「言葉ズーカ」の直前であり、どこか浮き足立っているような、ソワソワした感じも録音に残ってますね。
よみくらべスラムでは、筑摩文庫の「超短編アンソロジー」より「南泉、猫を斬る」を用いました。「無門関」という、禅の教本にあるエピソードです。……和尚が弟子に「昼間に猫を切ったのだ」という話します。すると弟子は、頭にわらじを載せて和尚の部屋を去る……という話です。意味不明です。1位は、「猫」「和尚」という語を入れ替えてリーディングするという暴挙に出た魚柳さんでした。これは聞いてて目玉が飛び出ました。びっくりしましたが、面白かったです。
最後に、同じく「超短編アンソロジー」より、魚柳さんに「梅法師(一休ばなし)」を、魚柳さんご指定の水尾さんに「定期券(桂枝雀)」を読んでいただいて、会を閉じました。ナンセンスなユーモアが場を丸め込んでの閉会でした。もわもわフワフワと、なぞが残る気持ちよさ。
●2006年4月12日の録音 ♪PLAYLIST
この日、最初の参加者がたったの4名でした。……こういう日が着たらやろうと思っていたことがあったので、とつぜん予告なしに実行してみました。「勝ち抜き選」です。ふたりがステージに立ち、パフォーマンスを行います。そして、会場の拍手の量で勝敗をジャッジし、勝者は次の挑戦者とまたバトルします……というお遊びの勝負です。勝ち続ける限り何度でも読めるわけです。
結果的には、あとから遅れて参加者さんがいらして……計10名の方がエントリーされました。
- 若原によるルール解説♪
- ツバキ嬢さん♪ ○-× ISAMUさん♪
- 拍手の大きさで勝敗判定♪
- ツバキ嬢さん♪ ×-○ 若原光彦♪
- 若原光彦♪ ○-× 青流星☆ゆうこさん
- シンジさん♪ (ドロー) 若原光彦♪
- 難判定につき、1分サドンデスを提案♪
- 若原光彦♪ ○-× 江藤莅夏さん♪
- Pさん ×-○ 若原光彦
- BluesyCatタロウさん♪ (ドロー) 若原光彦
BluesyCatタロウさん♪ ○-× 若原光彦♪ - のみぴょんさん ×-○ 若原光彦
- 若原光彦♪ ○-× 江藤莅夏さん♪
「4人ならパッパッと入れ替わり立ちかわるから、テンポのよく回転し、いろんな方法が試されて面白いだろう」と考えていたのですが、実際には遅れていらした方が多く、全体としては長丁場になってしまいました。また、いったん敗者になった方に再挑戦のチャンスがほとんどめぐってきませんでした。おもわくは失敗でした。ジャッジの基準を「拍手の量」というあやふやなものにしてしまったのもよくなかったと思います。当初の人数がいなかったこともありますが、主催者である若原の参戦も問題でした。
今度やるときはジャッジの方法、基準、先攻後攻の決定権といったルールも詰めておきます。また「勝ち抜きをやりますので、演目はたくさん持ってきてください」といったアナウンスを前もってします。……この回は失敗でしたが、いつかまたやりますよ、勝ち抜き戦。
よみくらべスラムでは、サムエル・ウルマンの詩「四月」を取り上げました。「雨」という語が序盤にあったためしっとりと読まれた方が多かったのですが、実は「幸ある四月!」で始まり「上げよ、我が錨。風みちよ、我が帆」で終わる、出帆・旅立ちの凛としたテキストでした。しっとりしたリーディングを聞いていて、驚きも納得も感じる……不思議な気分がしました。最後に、1位になったツバキ嬢さんに、サムエル・ウルマンの詩「青春」を読んでいただいて会を閉じました。「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを言う」という書き出しで有名な詩です。「青春」にはいろんな訳がありますが、この日に用いたのは宇野収・作山宗久著、産業能率大学出版部刊の「青春という名の詩」という本から引きました。
●2006年5月10日のきろく
5月というあわただしい時期だからか……参加者が少なかったため、録音・エントリーシートとも取らず、自由な進行の座談会スタイルで進めました。メモが残っていないのでなんともいえないのですが、本について、詩について、創作について、ライブについて、表現について、リーディングについてなど……踏み込んだ話を数々交わした記憶があります。考えさせられたり、ハッとしたり。刺激的でした。
●2006年6月14日の録音 ♪PLAYLIST
8名の方がエントリーされました。
よみくらべスラムでは、フランスの作家・脚本家・映画監督である(らしい)ジャン=フィリップ・トゥーサンの小説「ムッシュー」から、部分を取りました。この日に用いたのは「主人公のムッシューが、ポケットから手を出さずにエレベーターに乗り、自分のオフィスに戻る方法」を説明している部分です。要約すると「エレベーターの前でしばらく待って、ほかの人と一緒にエレベーターに乗り、階を告げて、同乗者にボタンを押してもらう」のです。……こうしたちょっとしたエスプリが詰まっている、おかしな、淡々とした小説です。
主人公ムッシューの人間味を増すアドリブを加えた江藤莅夏さん。シンドラー社のエレベーター事故問題をはさんで超短編に再構築した水樹結穂さん。主人公ムッシューに空腹感を独自設定し、都会で気弱になっているおぼっちゃんムッシューを展開させたツバキ嬢さん。……どなたもアドリブが炸裂していて面白かったのですが、みごと1位をしとめたのは「潔癖症だからボタンに触れないのだ」というみごとな解釈を加えた、水尾佳樹さんでした。……水尾さんに、最後に同「ムッシュー」より別の部分を読んでいただき会を閉めました。それは「ムッシューはデートで食事に行ったが、勘定をワリカンにするか・自分が全額おごればいいのか悩んだ。そして結局、自分が4分の3を払おうと言い出した」という場面です。何人か、ぽかーんとしてましたね。
●ふりかえって
今後はもっと定期的に、遅くても2〜3か月ごとには更新しようと思います。さすがにためこみ過ぎました。……なお今回はじめてファイルを出演者さんごとに分けましたが、これからはこの方法で掲載していくつもりです。また「よみくらべスラム」の部分は、これまでどおり、著作権の問題がない場合のみ掲載してゆきます。……いつも面白いので、ほんとうは多くの人に聞いてもらいたいんですけどね。
今回、編集・掲載作業のため何度も録音を聴きかえしました。掲載できなかったものも含め、音声にはみなさんの魅力や時間が封じ込められていました。若原自身の部分には、ときどき頭を抱えましたけど(笑)。うれしさをかみしめながら、いい気持ちで作業ができました。……「詩のあるからだ」1周年半、ありがとうございました! 今後ともよろしくおねがいいたします。
若原光彦 2006-07-09